犬童アツヤ
Atsuya INDO
2000年生まれ。高校卒業後、栄養士の資格を持つ母の影響から横浜に店を構えるイタリアンレストランでシェフよりフレンチの調理法やワインとのマリアージュ、ホールスタッフの所作についてなどの技術を複合的に学んだ経験から食事の多層性に興味を持つ。食事とは五感を駆使し、一回性の中で全てがアーカイブされないためにあることを元に、「台所」や「キッチン」の持つ特権性や父性、秘匿性についての思考を巡らせながら「食事体験」をアーカイブしてゆく方法を模索、制作している。
LINKS
@iddddidddd
CV
2023.4
「JAM」(JUNGLE JYM)
2023.6
「紅らむ私のまま、どうかなぞらえて」(多摩美術大学)
2023.11
「OLFACTORY CORTEX」 (多摩美術大学)
2024.3
「Hyper OLFACTORY CORTEX」(デカメロン)
2024.7
「インへニオ・ホーム」(JUNGLE JYM)
ARTWORKS
「FAKE」
家庭料理における「手作り」とは常に動き続ける価値基準の中にある。
電子レンジで温めて提供する食事、ほんだしを使ったお味噌汁、或いは昨日の肉じゃがの余りでできたカレー、それぞれ異なった「調理」がなされていることについて思考し、持続可能な新しい「家庭」の持つ可能性を映像 立体からのアプローチによって模索する。
「あたたかい秘密、或いはハイポニキウムに触れるようなこと」
「愛情を込めて握ったおにぎり」が世界に無数に存在する中で、我々は何親等のおにぎりまでを可視化された愛情として享受できるのだろうか。
本作では母の握ったおにぎりを一つ一つ等間隔に並べる作業により、おにぎりに含まれた「愛情」を切断、再接続させるプロセスの「仮留め」を行う。
ARTRELA 2024 AIR作品
《白練の水、この羽根》White feathers are like water and like you.
この町のリサーチを行う中で、ひとまずはうどんに「白練」の言葉をあてがうことから制作としてゆきたいと考えた。厳選される小麦粉から作られる、山を遡上し確保した水に鍛えられた生地、添えられた揚げ物、材料の選び抜かれたつゆ、そのどれもが水沢うどんにはなくてはならないが、それら素材の全ては淡青な水によって成り立つ。
そして、このように通底した素材による成り立ちを持つ「料理」を多層的に分解してゆく最中にも、料理店や各家庭での「手作り」の価値基準とは時代の変遷によって絶えず不確かな指標の中に立たされている(或いは「手作り」それ自体が独立しながら運動を行うような。)。
これらを前提のもと本作でなされる実践とはこの町の水脈から拡張される、「手作り」に紐づけられた「料理」によってなされる「家庭」の再構築である。
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